| 麹菌のゲノム・酵素生産能 | Machida M, et al. Nature. 2005;438:1157–1161. | 黄麹菌は、でんぷん・たんぱく質・糖質成分などを分解する多様な酵素遺伝子を持つことが示された。 | ヒトへの健康効果を示す研究ではなく、麹菌が食品の糖、アミノ酸、うま味成分を豊かにする生物学的基盤を示す。 |
| 麹菌の安全性:アフラトキシン関連遺伝子 | Tominaga M, et al. Appl. Environ. Microbiol. 2006;72:484–490. | 食品製造に使われる黄麹菌株では、アフラトキシン生合成に必要な遺伝子クラスターが不完全または機能しないことを検証した。 | 黄麹菌の安全性を分子レベルで理解する重要な基礎研究。「すべてのカビが危険」という誤解を正す。 |
| 麹菌と近縁カビの区別 | Frisvad JC, Hubka V, Ezekiel CN, et al. Stud. Mycol. 2019;93:1–63. | 黄麹菌と、アフラトキシン産生菌を含む近縁種を含む分類群について、種の違いと近縁関係を整理した。 | 「黄麹菌」と「食品に慣れ親しんだカビ」は同じではない。菌種・菌株の同定と種類の違いが食品安全の鍵となる。 |
| 発酵食品一般と腸内細菌・炎症 | Wastyk HC, et al. Cell. 2021;184:4137-4153.e14. DOI:10.1016/j.cell.2021.06.034 | 健康な成人36人を対象に、高発酵食品食群で腸内細菌の多様性上昇と複数の炎症関連蛋白質低下がみられた(10週間の食事介入試験)。 | 麹食品だけの試験ではなく、ヨーグルト、キムチ、コンブチャなどを含む複数の「発酵食品全般」の研究。麹菌固有の作用は示していない。 |
| 発酵大豆食品と死亡リスク | Katagiri R, et al. BMJ. 2020;368:m34 | 日本の成人92,915人を対象とした前向きコホート研究(追跡中央値14.8年)。納豆では総死亡リスク低下との関連が観察された。 | 観察研究であり、因果関係は証明しない。食品ごとの違いや食習慣の癖があり、納豆だけの効果とはいえない。 |
| 発酵食品の総論 | Marco ML, et al. Nat. Rev. Gastroenterol. Hepatol. 2021;18:196-208. | 発酵食品の健康影響は、微生物、発酵代謝物、食品マトリクス、食事全体の要素を分けて考えることを提唱した。 | 「発酵食品だから健康によい」と一様にはいえず、対象別のヒト試験が必要であることを示す。 |
| 黄麹菌の安全性評価 | EFSA BIOHAZ Panel. QPS list(最新更新) | Aspergillus oryzae は、用途や菌株特性の蓄積を前提に、食品・飼料分野で長い利用実績をもつ微生物として評価対象となっている。 | QPSは健康効果を示す制度ではなく、安全性評価の枠組み。最終製品・菌株・毒素産生能を個別に確認する必要がある。 |